操法の前に
「整体操法の目標は相手の感受性、体の働き、心の働きを使って治すこと」
操法の前に互いにお辞儀をします。それは世間一般的な礼ではなく、生命に対する礼です。 お互いの気を揃えるということと、その礼を通して相手の動作特徴を観ることが含まれています。
次は姿勢は坐位をとらせ、自分は立て膝になります。左手で前頭部を押さえ、右手で相手の後頭部を押さえます。最初に後頭部がブクブクしているか、硬くなっているかを見ます。 それから頭部第二、三、五を観察します。
第二を(頭部、前髪際から入ること2寸5分、瞳孔の直上)見ます。もしそこが弛んでいれば、お腹に 異常があります。第三が硬い時はみぞおちも硬くなっています。 第五が硬い時は眠りが悪いし呼吸器の働きも良くありません。そこが飛び出している人がいたら、それを下から上にそーっと持ち上げる、そしてまた愉気をします。 頭部の感応するのを見ながら、指の動き(掌心発現)も見ます。 呼吸が深くなり、脈が大きく打つと感応し、体の力が抜けてきて、重心のある方に傾いてきましたらうつ伏せになって頂き、操法を始めます。頭部に当てた手を離す順序があります。 額に当てた手から離します。後頭部はその後にします。 大抵は前額部から押さえ、後頭部に手を置くと思います。 当てた手の順に離すと覚えましょう。
メモ 息の閊えについて、ある一点を押さえて相手の心をその一点に集注統一させ、気を誘導したうえで、弛め、どこが弛んでくるかを見る。実際には愉気をして、気の通りの悪い処、閊える処を見ます。 野口先生は「頭にだけ愉気すればいい。あとは動く指(掌心発現)をつかまえて、もう一回愉気するというだけで、私は長い間、後頭部に体を回復させる、体を動かしている中心がある、と確信しておりました。それに気を輸(おく)ればいい、と。その他、当時の人たちはみな、そういうようなことを考えて、後頭部に愉気をしていました。能力発現の誘導法とか、体の中の回復力を誘導するための急所としてここに愉気していました」とおっしゃっています。
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