整体操法    
整体操法  
どんな技術もその人の隠された内面を如実に表す。
嘘やごまかし、ハッタリは通用しない。
従って日々技術を、こころを磨くことが肝要である。
今出来ることを、実直に、焦らずに、積み重ねて行く。




脊椎の観察

脊椎の観察
背中の中央にある骨、背骨のことを棘突起といいます。
棘突起の際に手の指を置いて下さい。野口整体ではこれを基準にして、一側、二側、三側と数え
ます。人差し指が一側、中指が二側そして薬指が当たる箇所が三側になります。
初めに棘突起、次は一、二、三側と順に調べて行きます。
      
           
   

それぞれが独自の働きをしますので、例えば棘突起でしたら脊椎の動きを調べますし、一側は
硬結があるのかどうか、二側は脊椎の転位の状態や位置、三側は内臓の状態を反映しますから
同様に硬直や硬結の状態を調べて行きます。
横突起の際に位置する一側は身体の良い状態でしたら7本の線として数えることができますが、
悪い場合には線が固まってしまい、バラバラと弾けません。そして、その固まった中に硬結がで
きます。合掌行気をして、手を敏感にしてから調べて下さい。
その後に一側、二側、三側に対する型を行います。
    
      野口整体操法の一側のイメージ図


脊椎と器官の関係
頚椎は7つ、胸椎は12、腰椎は5つあります。仙骨(仙椎は5つ)は、ひとつとして考えます。
脊椎と器官の関係の覚え方としては、その骨の下にあるのは何だろうと考えることです。
例えば、精神的に疲れてきますと、首や肩が張ってきますし、また肩周辺から肩甲骨までなら肺
があります。この図ですと泌尿器系が多くを占めていますが、椎骨により働きがそれぞれ違って
きます。
下記に図や表がありますのでご覧下さい。


         脊椎と器官との関係
頭の系統:Th5から上
呼吸器の系統、心臓:Th3番~7番
胃:Th8~10
泌尿器:Th9~L3
生殖器:L4以下

人体図 内臓  

脊椎まとめ

 

    手の位置と一側  位置  観察・操法
 棘突起  脊椎の可動性(過敏、圧痛う、鈍り)転位(上下、左右、捻じれ)椎側の硬直、椎骨の異常はその椎骨の一側に愉気を行う。
 一側  棘突起の状態を観察し、外側へ弾く、状態により、真下へ押さえ硬結への愉気
 二側  硬結への愉気、真下へ押さえ、ゆっくり放す、
痛みに効果がある
 三側  椎骨の転位を正しい位置に戻す、やや内側に向けて整圧

 


参考:脊椎と器官の関係

私も三十数年前に野口整体を勉強していた頃に必死に覚えようとしましたが、実際はこれらを覚えて
も関連性を知らないと使いこなせません。例えばですが、肺と腎臓の関係などをここで書いたとして
も伝わり難いのです。どうしてもそれらを勉強するには受講をする必要があります。
勉強はあせらず、ゆっくり一歩ずつ、楽しみながらが、最良の近道です。

 

頚椎1~2

頭の血行 頭部への血液供給、下垂体、頭皮、顔面頭蓋、脳、内・中耳、交感神経系

目、視神経、聴神経、乳様突起、舌、前頭骨

鼻の粘膜 頬 外耳、顔面頭蓋、歯、三叉神経

耳 鼻、唇、目

5~6

咽喉部 声帯、咽頭

頚部の筋肉、肩、扁桃腺

迷走神経張力増加 甲状腺、肩内の滑液包、肘

頚6胸2

上肢             

胸椎 1

気管支粘膜血行 前腕、手首および指、食道および気官

右:胃・肝臓   左:心臓 心臓、冠状動脈

肺 肺、気管支、胸膜、胸部、乳房

4

右:食道  左:胆嚢、胆管         

5

噴門部収縮・発汗 肝臓

6

消化器 

7

脾臓・膵臓 膵臓、ランゲルハンス島、十二指腸

8

肋膜・大動脈拡張 脾臓、横隔膜

9

肝臓 副腎

10

腎臓・視力 腎臓

11

卵巣 腎臓、子宮

12

小腸 小腸、卵管、リンパ液循環

胸13の3

眼の血行

胸810

胃の拡張・反射  

腰椎1

性器知覚 大腸または結腸、鼠径部

大腸 虫垂、腹部、脚上部、盲腸

性器血行・ 腎臓 生殖器、卵巣または精巣、子宮、膀胱、膝

卵巣・睾丸 前立腺、腰部の筋肉、坐骨神経

膀胱 脚下部、踵、足、つま先、土踏まず

仙椎2

妊娠早期発見 股関節、臀部

膀胱・肛門・括約筋 直腸、肛門

 

※ 野口整体(赤) メリックチャート(黒)

迷走神経は内臓に広く分布する副交感神経性の脳神経である。声帯に分布して発声に働くほか、
喉頭
・肺・心臓食道・胃・腹腔内の器官分布知覚・運動・分泌支配する。




整体 全身の調律点

整圧点
         





実際の操法では背骨に気を通した後に、実際に押したり、揺さぶったりしながら
背部の弾力
脊椎の位置の異常を確認します。
最初は棘突起の飛び出したものだけ見つけ、その骨の可動性、転位を調べます。
可動性、
動き過ぎる、動きが少ない、動かない骨をそれぞれ調べます。
可動性の異常のある所を押さえ、どんな状態なのかを確かめる。
椎骨の動き過ぎは過敏、動きが少ないのは圧痛、動かないのは鈍りと言います。
「圧痛」というのは「古くなった過敏」、「何も感じない」のは「古い圧痛」です。
それらを調律していくと、鈍い所は「圧痛」が出てきます。
圧痛は「過敏」に変化していき、過敏は「正常」に戻っていきます。
操法して「過敏」が出てきたら回復傾向だと考えれば良く、「過敏」だけなら急性的なものです。
脊椎を確認したら、1~3側を順に調べて行きます。

それら詳細に書こうとも考えたのですが、実際にやりながらでないと難しいことが多いので講座
の中でお話し致します。

野口整体の魅力は言い尽くせないほど多くあります。
一般には、野口先生の「風邪の効用」が入手しやすいので、お読みになって下さい。
ぜひ、整体講座を受講されて一緒に学びましょう。
講師一同(二人だけですが)楽しみにお待ちしております。

脊椎骨と内臓の関係一覧表
(脊髄反射療法)

疾病部位と脊椎骨との関係

・脊椎骨またはその側方から下記の部位に

疾病のあることが推知できる

 

頚椎

脊椎骨と脊椎反射現象との関係(脊髄反射の適応症)

脊椎骨一定の個所に脊髄反射衝動を喚起すると下記のような現象を現す

・下記の疾病の時にその側に脊髄反射衝動を喚起すると良い

眼、鼻、耳、脳、顔面

1

1,4,7:迷走神経運動増加(主として消化促進):胃アトニー、胃痙攣、神経性嘔吐、反芻症

3,4:心臓機能増進(心臓弁弁膜狭窄、心臓弛緩)

3,5:肝臓機能促進(肝臓諸病)

4,5:肺の収縮(気管支喘息、肺気腫、枯草熱)

7:迷走神経機能亢進(頚椎一番と同じ)、心臓、大動脈の収縮、肺の血液減少

(肺充血、気管支炎、気管支出血、心臓弁膜不全、心筋炎、肥大性心臓、拡張症

狭心症、心臓衰弱性狭心症、心悸亢進症、脈拍不正、呼吸困難、心臓性喘息、咳嗽、心臓脂肪過多、糖尿病、弱視、バセドー病、動脈瘤、眼、耳、鼻の充血、喀血)

顔面

2

横隔膜

3

眼、鼻、耳、脳、顔面、横隔膜

4

横隔膜、扁桃腺

5

扁桃腺

6

扁桃腺、腕、気管、咽頭

7

 

 

疾病部位と脊椎骨との関係

 胸椎

脊椎骨と脊椎反射現象との関係(脊髄反射の適応症)

腕、気管、咽頭、心臓

1

1,2,4:心臓収縮(機能抑制)(心臓内膜炎、心臓外膜炎、血圧亢進、心臓脂肪過多)

2,4:血圧減少(血圧亢進、動脈硬化、出血の時)

3,4:迷走神経機能減弱、乳腺刺激(心臓衰弱性の狭心症、心臓痙攣、気管支出血、肺気腫、気管支性喘息、乳汁分泌不足)

3,8:肺の拡張(肺結核、肺炎、肺拡張不全、肋膜炎)

4,6:胆のう収縮(胆のう炎、カタル性黄疸、輸胆管炎)

4,6,8:膵臓収縮(分泌増加)、胃液分泌減少(胃酸過多、神経性胃液分泌過多)

5:幽門拡張(幽門痙攣、幽門狭窄)

5,7:胃液分泌刺激(慢性胃炎、貧血症、貪食不飽症、神経性食欲欠乏)

5,8:肝液素分泌機能亢進(肝臓の拡張及び収縮反射の適応症に行う)

6,7:血圧増進(塞血)

7,10:腎臓拡張(腎臓機能減少、萎縮腎、腎臓水腫、腎臓結石、化膿性腎臓炎、脂肪性腎臓、尿毒症)

9:胆のう拡張(胆石疝痛)

9,12:心臓、大動脈の拡張(心臓弁膜狭窄、亢進性狭心症、小児麻痺、運動不調下肢の麻痺)

10:子宮拡張、肺内血液増加(月経不順、白帯下)

11:胃、腸、肝臓、脾臓の拡張(幽門の狭窄、幽門痙攣、胃痙攣、痙攣性便秘、

腸痛、腸障害、急性黄色萎縮、胆石症、伝染病)

11,L4,5:膀胱の収縮(膀胱炎、遺尿症、尿出禁)

12:腎臓の収縮(急性腎臓炎、慢性腎臓炎、腎臓貧血)

12,L4:前立腺の収縮(前立腺肥大、前立腺癌腫)

腕、気管、心臓

2

肺、心臓

3

肝臓、肺、心臓

4

胃、眼

5

胃、肝臓、横隔膜

6

肝臓、横隔膜

7

肝臓、横隔膜、副腎、膵臓

8

脾臓、副腎、膵臓

9

腎臓、眼、小腸

10

小腸

11

小腸、大腸、腎臓

12

 

疾病部位と脊椎骨との関係

・脊椎骨またはその側方から下記の部位に

疾病のあることが推知できる

 

腰椎

脊椎骨と脊椎反射現象との関係(脊髄反射の適応症)

脊椎骨一定の個所に脊髄反射衝動を喚起すると下記のような現象を現す

・下記の疾病の時にその側に脊髄反射衝動を喚起すると良い

膀胱、大腸、眼

1

1,3:胃、腸、肝臓、脾臓、子宮の収縮(胃拡張、胃下垂、胃アトニー、急性胃炎、胃潰瘍、幽門の障害、ヒステリー性吐血、肝臓膿瘍、胆汁異状、胆汁管炎症、肝臓充血症、肝臓肥大、肝臓硬化、肝臓炎、腸アトニー、便秘、腸カタル、

虫様突起炎、腸下垂、慢性夏季腸炎、腸出血、粘膜性結腸炎、脾臓炎、同肥大、

マラリア、貧血、白血球減少症、子宮内膜炎、子宮実質炎、子宮転位、子宮出血、

子宮痛、月経過多、月経痛、粘膜粒腫、腫瘍)

生殖器、膀胱、虫様突起

2

生殖器

3

生殖器、肛門

4

肛門

5

 

 

疾病部位と脊椎骨との関係

・脊椎骨またはその側方から下記の部位に

疾病のあることが推知できる

 

仙骨

膀胱

1

膀胱

2

膀胱、陰茎、膣

3

膀胱、陰茎、膣

4

肛門

5

 

 



 1.整体操法はいつ生まれたのか
 2.合掌行気法 活元運動
 3.上肢操法
 4.頭部操法
 
5.腹部操法
 
6.操法の前に
 7.脊椎の観察、操法について
 8.体癖について

 


      
次へ進む 体癖について       
                学習ノート  

 


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