お腹のみかた、触れ方

十四経発揮

 
 
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   腹診は先人たちのご苦労されて残されたものから、多くを学ぶことができます。

  たにぐち書店の難経からお腹の経絡図をお借りして載せています。
  ツボも細かく書かれていますが、
お腹にはすべての経絡が関わっています。
  肺経は経絡図を見ますと、表面上では胸部の一部と腕だけだと思われますが、決してそうではなく腹部の中に
  入って働いていることが右の図をご覧頂くとお判り頂けるかと存じます。

  難経の経絡図 樹脂経発揮 肺経の経絡図

 また、お腹のみかたも、鍼道秘訣集、夢分の描かれたものや増永静人先生の腹部スジ反応部位をご覧頂くと、
 人により観方、感じ方が異なっていることが分かるかと思います。

 ではどちらを信じて学べば良いのでしょうか。
 どちらの方もこの道の大家でいらっしゃいますから迷うでしょう。
 答えですが、まず、どちらも覚え、頭の片隅に入れておきますが、最終的には幾度も施術をしながら
自分の感覚
 を信じ、答えを出すことです。


 

  鍼道秘訣集 夢分


   夢分の腹の図 腹部操法の図

 

 部位  邪気があると起こす症状
  鳩尾(みぞおち)  めまい、舌の異常、頭痛、不眠。 心悸、心痛の病気になる。
 脾募 鳩尾の両傍  脾の臓の病気、手足口唇の異常、両肩の痛み。
 肺先 脾募の両傍  呼吸短く、喘息や痰、肩や上肢の異常が現れる。
 肝臓 左右の章門とその上下の部分  目の痛み、疝気、淋病、胸脇の痙攣や痛み。呼吸の間が短く短気酸っぱいものを欲しがる。足の筋の痙攣、病気に原因による寒気 や肝瘧(かんぎゃく)など。


 
 増永静人 経絡図
 
増永静人先生の経絡と腹の反応部位1  増永静人先生の経絡と腹の反応部位2

 

 お腹に触れる時には、心を澄ませて、患者と一体になり診ることが基本です。

 相手と一体になるとはどういうことかと申しますと、気で患者を包むということです。
 それができないのでは治療などできるはずがありません。

 優しく気で包んでから、施術を行うと自然に変化してきます。

 相手の身体が変わってきます。

 気と気は互いが反応し合います。それを感じて下さい。

 施術の際には必ず、しっかりグラウンディングをします。

 邪気を受けないためです。

 

 お腹は、子供、女性、男性、老人の男、女の5つに分けることができます。

 至極当たり前の分類なのですが、それを手に覚えさせておかなければなりません。

 

 健康な、元気なお腹を知ることで、不健康なお腹を感じることができます。

 お年寄りのお腹は虚が自然なのですが、その中でも実であるか、そうでないかも感じて下さい。

 実の実、実の虚、虚の実、虚の虚などがあります。

 これらを鍼を使用せず、手でできるやり方に変えて記載しています。

 

 覚え方は、実は黒くし、虚は白くします。

 下の「実の虚」なら、実虚と覚えます。

   腹部の虚実1

 この文章は横書きですので、分かりにくいかもしれませんが、縦の文章だと簡単に覚えられるでしょう。臍から上と下
 に分けてみましょう。


 実の虚(実虚)
実の虚という腹は、臍より上は実し、臍より下は虚して力がない状態を言う。このような腹の患者は、上気、あるいは
息が短く食後に眠気がする、または退屈しやすくため息やあくびが出、肩・胸部が痛む。腹の状態が良くないという場
合の大部分は、この腹である。


腹部の虚実の説明腹部の虚実2
医学の言い方で言うと、脾・胃・腎の虚と診断することになる。
左右の脾募・左右の肺先・胃の腑に四指または拇指を用いて持続圧をします。

 
虚の実(虚実)
   腹部の虚実3
虚の実の腹は、臍から下がすべて実邪であり、臍から上が虚している。
病気でない人の腹がこのような状態の時は、問題ない。
病気を患っている人の腹がこのような状態の時は、腹が下るか、腰痛があるか、小便不通・淋病・便秘、女性の
場合は腰気(帯下・生理不順・疝気・瘀血など、)あるいは傷寒の裏証、湿で冷えた者は、このような腹で足に
病気がある。治療は、両腎・丹田・臍の両傍・章門に愉気をしながら持続圧をします。

 

実実 
  腹部の虚実4
実実の腹は、臍の上下両方に邪気がある。このような腹の者は、大病になるか、心痛・大食傷、なんらかの急病、
急死をするものである。
雪の重さで大木の枝が折れるようなものである。愉気をしますが、不安であれば手は出さないことです。

 

虚虚
  腹部の虚実5
この腹は、臍の上下ともすべて虚している腹である。最悪の状態です。

上記同様、愉気をしますが、不安であれば手は出さないことです。

 

いかがでしょうか?

参考になったでしょうか。


 

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