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          理学療法評価のトップ写真


本来、頭からつま先までトータルで観察しますが、骨盤と股関節部を取り上げて説明するために
脊椎、頭部、頚部などの関わりについては記していません。

●股関節

◇ 立位での観察
◆対称性と萎縮の観察

1.立位で静止状態と歩行状態を観察します。
患者さんに立って頂いて最初は正面から観察します。
しかし、人は何気ない立つことすら、人からいわれますとぎこちない立ち方になることが多いのです。
目をつむってもらい1分位足踏みをしてもらって下さい。その時にも全身を観察して下さい。

下腹部から腰、大腿部の付け根にかけての体のラインの対称性を観察します。
左右対称になっているか。

股関節周辺の筋に萎縮がある場合には、それらの筋に筋力の低下が考えられる。
また高さが対称でない場合には左右に脚長差があると考えられる。

◆上前腸骨棘(略称:ASIS)と腸骨稜の触診
次に腸骨稜と上前腸骨棘(ASIS)の高さを見て下さい。

       理学療法評価法 骨盤

下のレントゲン写真では、ACとBDの長さは等しいですが、腸骨稜はやや右へ傾いていることが分かります。
そのため右足がやや短いと考えられます。

           理学療法評価法 骨盤について


 ① 右足が短い   ② 骨盤の傾斜か、横に捻れている
理学療法評価法 骨盤①   理学療法評価法 骨盤②
上前腸骨棘を触診し、高さが同じか、腸骨稜の高さも確認します。
例:①右の上前腸骨棘が低い位置にあり、腸骨稜も右の方が低い位置にあれば、
右の方の足が左側の足よりも短い。
例:②腸骨稜の高さが左右同じで上前腸骨棘の高さが左右で違う場合、
骨盤が傾斜しているか横に捻れており仙腸関節に問題がある可能性がある。
   
理学療法評価法 骨盤③  理学療法評価法 骨盤④ 
出典:図版(医道の日本社「クリニカルマッサージ」より改変)

上後腸骨棘(略称:PSIS)の触診
まず、水平かどうか確認して下さい。
左右どちらかが前傾している場合は同側の拇指が高い位置に来ます。

次はどちらかの拇指が高い位置になった場合は前屈してもらいます。
すると不具合のある方が先に屈曲します。この症状は左右どちらかの仙腸関節の
可動性が低下していることによって起こります。
理由は仙腸関節の可動性が低いと前傾した時に引っ張られてしまうからです。
機能不全、仙腸関節の低下が考えられます。

背面の均整の観察
次に患者さんの横に立ち、斜め後ろから骨盤に前傾や後傾がないか確認し、
次は前後に動かして痛みや違和感がないか。
前傾の場合:背中の硬さ、ハムストリングを含む股関節屈筋群に硬さがある。
後方の場合:膝関節に問題があるか股関節が硬いかあるいは痛みにより平背している。

腰椎から仙骨につながる背中のラインも観察し脊柱前弯症がないかなど確認する。
次に楽な姿勢をとってもらい骨盤の傾斜を観察する。
腰の側面のラインを触診すると中殿筋や腸脛靱帯に硬さが見られることがある。
大腿部側面にうねりがあれば筋肉が緊張していることが考えられる。
臀部の筋肉の輪郭も観察し、小さい方には筋の萎縮や筋力の低下が疑われる。

          正しい姿勢1

          骨盤の詳細図

考え方
骨盤は台形です。それをイメージして下さい。

シンプルに考えましょう。
近くに消しゴムがあれば手に取って下さい。それを骨盤と見立てましょう。
理解しやすいかと思います。

AーBは腸骨稜,(ベルトの位置)CーDは上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
(椅子に座った時足の付け根付近にある固い骨)と考えて下さい。

図1の様に捻れが無ければ平行になると思います。

では、消しゴムを捻って下さい。当然ですが、歪んでしまいます。
骨盤も同じでAーCの長さとBーDの長さが異なってしまいます。

すなわち、骨盤が傾斜しているか、横に捻れていることが考えられます。

骨盤に仕組みについて解説

次は背面を観察してゆきましょう。

はじめに骨盤が前方や後方に傾斜していないか確認して下さい。
次は左右の上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく):(PSIS)に拇指を当てて
高さを見て下さい。

高さに違いはないでしょうか。高いほうが前に倒れていると考えられます。

また消しゴムを使いましょう。同じ高さに丸印をつけ捻って見て下さい。
高い位置にくるのはどちらでしょうか。PSISも同じことが理解できたと思います。

骨盤の仕組みについての解説2   


      
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