ブログのイラスト

          


◇ 歩行時の観察

                理学療法評価法 歩行

患者さんに2~3分間歩いてもらいながら股関節と骨盤について観察、評価します。
歩行によって痛みや機能不全を見つけることができます。

腕の振りを観察しましょう。
歩いてもらいながら股関節と骨盤について観察します。
歩行によって痛みや機能不全を見つけることができます。
・全身の観察
・腕の振り
上半身の揺れの観察
動きに制限があるように見えるときは、歩行が不安定であるか腰まわりの筋肉が弱いことが考えられる。
一方が弱い場合、その側で立つと外転筋の弱さを補うため腰部が内側に引っ張られ肩が同側に傾斜するのです。

歩行時の脚の出し方の観察
歩く時に足がどのように前に出ているかを観察します。
歩幅が小さい場合、股関節の屈筋群が硬い可能性がある。

前方への揺れの観察
しっかり地面を蹴ることができているか確認しましょう。
膝関節や足関節に問題があるとうまく蹴れません。
股関節や骨盤と関係の深い、肩の位置など体全体を観察することが非常に大切です。

股関節の自動的屈曲
理学療法評価法 1

仰向けに寝て膝を顔につけるようなつもりで股関節を曲げてもらう。
股関節の可動域:約120°
可動域に限界がある場合には関節の硬さや筋力の低下が考えられる。

股関節の自動的回旋
理学療法評価法 検査1  

理学療法評価法 検査2

足を外側に向けて回旋してもらう。つま先を床と垂直の位置から何度動かせるか観察する。
元に戻し、左右の対称性を確認する。
回旋角度:おおよそ45°
どちらかの方が可動域が狭い場合、内旋筋が硬いか外旋筋が弱いことが考えられる。
次は逆につま先を内側に回旋してもらい、左右の対称性を確認します。

股関節の他動的屈曲
理学療法評価法 検査3

可動域のテストをします。
膝を自然な角度にしてゆっくり押して肩に近づけていく。
跳ね返りや骨のような硬さのあるエンドポイントはないか調べましょう。
エンドポイントには跳ね返りや硬さが感じられます。もう一方の足も同様に行って下さい。
股関節の可動的屈曲の範囲:約130°
関節で摩擦音やクリック音がする場合は関節炎の可能性があります。
エンドポイントが無い場合には重度の炎症を起こしている可能性があり、痛みを伴う。

股関節の他動的回旋
理学療法評価法 検査4

関節炎を起こしている場合は各関節特有の運動制限が見られる。
関節炎が起きると関節包が硬くなる。
股関節の特徴的な関節包パターンは内旋可動域が大幅に狭くなる。
内旋角度は40°
外旋角度は45°
関節包パターン=内旋時の運動制限が最も大きく、外旋時の運動制限は小さい。
股関節に関節包パターンが見られる場合、慢性的な炎症か関節炎が考えられる。
股関節の骨格に先天性の異状があると関節包パターンや炎症が見られる。

股関節の他動的外転
理学療法評価法 検査5

逆側の骨盤の上に手を起き、股関節を外転させる。ある程度の硬さのエンドポイントがあれば正常。
置いた手が動くような時は骨盤の運動が可動域を超えているので注意して下さい。
反対側の骨盤に置いた手がちょうど動き始めるところまでが外転運動の際の可動域です。
もう一方も同様に行う。
右手を置いた骨盤の手が動いたらそれ以上外転させないこと。
股関節の外転も関節炎によって制限される。
可動域:およそ45°

股関節屈曲筋力テスト
理学療法評価法 検査6

股関節の屈筋群(腸腰筋、大腿直筋、縫工筋)のテストを行う。
膝を直角に曲げてから、足を引きますから、力を入れて引き返して下さいと頼みます。
だんだん力を強くしていく。
そしてゆるめる。痛みがある時は股関節の前面にある腸腰筋の腱に炎症が
あることを示唆している。
また股関節前面の最上部にある滑液包に炎症があるか大腿直筋や縫工筋に
炎症がある可能性がある。

股関節伸展筋力テスト
理学療法評価法 検査7

患者の足を持ち上げ、支えている手を押し返してもらいます。
痛みや筋力低下がある時は中殿筋や大殿筋に炎症があるか関節周辺で腱炎を
起こしているまたは股関節後部で滑液包炎を起こしていることなどが考えられます。

股関節外転筋力テスト
理学療法評価法 検査8

側臥位で行う。片方の手を骨盤に置いて安定させ、もう一方の手で脚を持ち上げる。
患者さんには力を抜いてもらうこと。
この時に大切なことは上側の足の付け根を動かさないように固定しておくこと。
そして患者さんの足を外転させ、体の線と一直線になるところまで引き上げる。
次に骨盤を固定して、少しずつ力を加えていく。
一般的に股関節の外転筋の筋力の低さは機能不全か痛みが原因で起こる。
膝関節や足関節、背中に何かトラブルを抱えている人は中臀筋が弱いことが多い。
反対側も同じくテストをします。

オーベルテスト(腸脛靱帯に硬さがあるか調べる)
理学療法評価法 検査9

患者さんには下側の足を曲げ、反対側の手で曲げた足を掴んでもらう。
上になった足を後ろ側に動かす。
この時膝はまっすぐ伸ばしておくこと。
そして足を下に向けて落とします。
腸脛靱帯が硬くなっている場合には脚は床と水平な状態で止まる。

骨盤が前後に揺れないように固定し、足を後方へ向けたまま下げる。
足が宙に浮いた状態になる時は腸脛靱帯に緊張がある。反対側も同様にテストをします。

トーマステスト(股関節の屈筋群の緊張を調べる)
理学療法評価法 検査10

膝を胸の方へ引き寄せ、患者さんには両手で大腿部後面を抑えてもらいます。
そして反対側の足をベッドの横に下ろします。
すると腸腰筋に緊張がある時は足がベッドよりも高い位置で浮きます。
これは股関節が固くなっていることを意味しています。
足が簡単に降りる場合は股関節自体の緊張はないが、下腿部が伸びてしまう場合は
大腿直筋に緊張があると考えられる。

仙結節靭帯テスト
理学療法評価法 検査11

仙結節靭帯が炎症を起こしているかどうかを、患者が痛みを感じるか
どうかで判断します。


      
次へ進む 実践編 骨盤股関節③
 


 ブログのイラスト                                                         ページトップのイラスト
         
● 外国から、全国各地から習いに来る「整体講座」を一緒に学びませんか。 
● 世界一流のプロから学んだ、エサレン®仕込みのオイルマッサージの技術をお伝えします。