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腱反射 神経根に異常はないか検査しますので打腱器を用意しておいて下さい。 
腱反射と筋力テストは座位で行う。

叩打→神経回路→反射

 上腕二頭筋腱(C5、C6)

前腕を優しく持ち、肘関節を軽く曲げさせ、拇指を二頭筋腱に当て、
そのの上を優しく叩く。
二頭筋が反射する状態を観察する。

反対側も行い、比較します。片方がもう一方より、反射が少ない場合、
神経の炎症やインピンジメントが存在し、機能障害を起こしている可能性がある。
C5、C6の神経根が炎症や損傷を起こしていると二頭筋の反射が弱くなる可能性がある。
(筋皮神経)


 腕橈骨筋腱反射テスト(C5、C6)

手関節のすぐ上、同様に行い、両側を比較する。
反射が弱い場合、橈骨神経の障害を疑う。

 上腕三頭筋腱反射

上腕三頭筋腱を打叩橈骨神経(C6、C7の神経根)


上腕二頭筋腱反射テスト 
 理学療法評価法 検査1
 肘窩の内側
 上腕三頭筋腱反射テスト
理学療法評価法 検査2 
上腕後面、肘頭より近位 
  腕橈骨筋腱反射
 理学療法評価法 検査3
 前腕外側の遠位 


徒手筋力テスト

頚部神経に機能障害が起きていないか確認するために肘の筋力テストを行う。

肩の強度を知り、障害などの可能性を除外するためのテストです。

 肘の筋力テスト

① 前に出した両腕に上から抵抗を加える。異常が見られたら片腕ずつ行う。筋肉収縮の質と強度を観察する。一方が弱い場合、肩や肘に問題がない場合、頚部やその周辺の神経に疾患がある可能性がある。C5-椎間板と神経根のテストになる。

② 前に出した両腕に下から抵抗を加える。C7は肘の伸展を診る。弱ければC7神経根が原因である。

腕の感覚テスト

頚部神経のインピンジメントの有無を調べる。痛みやしびれは頸部の疾患が関わっている。

痛みのある場所によって、頚部のどの部分に疾患があるのかわかる。

拇指と第2指に痛みがある場合:原因はC6神経根・・・拇指と第2指をつけて数字の6

第3指に痛みがある場合:原因はC7、第4指と第5指と腕にかけてに痛みがある場合、原因はC8。
それぞれ末梢神経の分布により異なる。

腕と神経支配 

 頚部神経のインピンジメントの有無を調べる。

末梢神経インピンジメント

しびれた感覚や鈍痛がある場合、手の平の第4指、第5指にある場合、尺骨神経が原因である。
正中神経は手の平と拇指、第2、3指である。橈骨神経は拇指、第2、3指(第3関節)
しびれや鈍痛の場所により、頸部の神経根が原因なのか肩や肘の神経が原因なのかがわかる。

手の神経支配 



椎骨動脈テスト

仰臥位で行う。頸部の操作、マッサージなどを行う前にするとよい。
椎骨動脈は脳に血液を送る動脈の一つである。頭部の左右に2本あり、
頸部の後面の小さな穴の中を走っている。
この部分に炎症が起きると椎骨動脈の走っている小さな穴が狭まる。
そこに他動的な力が加われば動脈を損傷し、麻痺を起してしまう可能性がある。

頭部をベッドからはみ出させて行う。
最初は目を開けているように指示する。
動脈が閉塞している患者にこの姿勢を取らせると脳への血流が弱まり、
言語障害や眼振を起こす恐れがある。
患者の目を見ながら頚部の関節を牽引するが可動域の9割までで止めること。
伸展、側屈、回旋を行う。10~30秒間、同じ位置を保つ。痛みの有無を聞くこと。
呼吸のパターンに変化は見られないかを調べる。両側を行うこと。
言語障害や眼振が起きたら陽性である。



触診

後部筋肉-脊椎後面の軟部組織の構造を評価する。緊張または炎症を確認する。

斜角筋-押圧してみて症状が出るか確認する。硬さや、スパズム、過敏な所はないか確認する。

胸鎖乳突筋

後頭下筋-触診:痛みや張っているなどの炎症があれば頭痛の原因になる。

リリーステクニック:頭蓋骨の根元にあて重さを支えて、軽く手前に引き1分間保持する。

側頭下顎関節:両手の指を関節に当て、口を数回開閉してもらい、
左右が対称的に開くか確かめる。ポッキという音がしないかなどを確認する。
次に左右に動かしてもらう。顎関節が左右が対称的に動くかを確認する。
摩擦音や痛みがあれば炎症やスパズムが起きている可能性がある。

椎間関節

頚部が前屈すると椎間関節が開き、頭部を下げて頚部を伸展(後ろに反らす)
すると閉じる。
側屈すると屈曲した側が閉じ、反対側が開く。回旋した側(伸展)は閉じて、
反対側(屈曲)が開く。
※右を向くと右の椎間関節は閉じて、左は開く。

指をC7の横突起に当てて、頭部をベッドから浮かして左右に動かす。
どれぐらい動いたか大きさを比べる。
正常の場合は左右は均等である。動きに非対称性だったり、どちらかに
自由に動かない場合は機能障害の可能性がある。

頭部を右に動かすと頚部分節の右は開く。
指で1分節を押して側屈させると指が触れている側の椎骨が閉じ、反対側が開く。

1分節の側面を押すとその面が閉じる。右側面が閉じたまま固定している分節があれば、
右へ屈曲させても椎間関節が開かないので動かない。その分節は、陽性と判断する。

リリーステクニック:頭部を持ち上げて、前屈をさせる-関節が開く、
そのまま左に動かして(側屈)関節の開き方を観察する。

症例:頭部を持ち上げて、前屈させる(椎間関節が開く)→
 開いている(陰性)左に動かす-左側椎間関節はちゃんと動いて、
右側が閉じているが右側を動かそうとしてもうまく動かない?
理由:右の関節が開かなくなっているからである(陽性)
これで問題のある関節を正常に動く治療を行えば良い。


 評価法 頚部の図1



治療:頭部を持ち上げて前屈、次に左に動かす、側屈させ右の関節を開いて
回旋させ、更に開いてそのままの位置を保つか、抵抗力に対して頭部を優しく押してもらう。

  評価法 頚部の図2  評価法 頚部の図3     評価法 頚部の図4

 

これで収縮弛緩運動のような中程度のストレッチを行う。

筋肉を収縮させたまま5秒か10秒その位置を保持する、
力を抜いてもらい頭部を押す。側屈と回旋でさらに開く。
そして頭を押し返してもらう。リラックスしてもらい繰り返す。
この評価法は第7頚椎から第3頚椎まで適用ができる。

検査は1分節ごとに行う。指をC6の両側に当てる。C5、4、3、2・・・と
順次調べていくが、もし広範囲の制限があるならば、筋肉スパズムや関節炎による
変位が考えられる。
特定の分節に可動域制限があれば関節か筋肉が原因である。

CI(環椎)とC2(軸椎)の評価  

C1、C2の働きは主に回旋動作である。約50%はC1が回旋する、
残り50%は他の頚椎が動く。
そのため左右いずれかに回旋に制限がある場合、C3以下の分節に障害があるのか、
C2以上の、C1の回旋障害なのか区別がつかない。
区別するには軽く頚部を前屈させる、これによりC2より下位の頚椎がロックされ、
回旋動作を制限することができる。

 

CI~C2障害の治療法

リリーステクニック
頭部を持ち上げ、軽く屈曲させて回旋する。
C1、C2で制限を感じたら可動域の限界点で頭部を保持する。
頭部を反対側に回すように力を入れてもらう。
首を左に回して、ゆっくり止めて10秒数えて力を抜かせる。
頚部の筋肉の緩んだ状態から、さらに頚部を回旋させる。

環椎後頭関節の動きをテストする

環椎後頭関節:動作(屈曲と伸展+わずかな側屈)

頚部を回旋させ、少し屈曲させ2、30度回旋させ、後ろに軽く引きます。
頭蓋骨をすべらせます。
これで後頭下筋をストレッチして環椎後頭関節も動かします。
関節の可動性も見ましょう。反対側も同様に行い比較しましょう。
痛みや制限がある場合、可動性の機能障害か関節周辺の筋肉や靭帯の拘縮を示します。

 


      
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