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 脊椎③
可動域テスト-伸展

伏臥位にして棘突起を直接押圧する。L5の棘突起をベッドに押し付けるように
下方向へ向けて押します。
押して反応がないかあるいは可動性が高すぎて腰が柔らかくなり過ぎていないか。
また、痛みを感じる場合は椎間板に問題があると考えられる。※腰椎の安定性を調べる。


評価法 脊椎の診かたのイラスト1 評価法 脊椎の診かたのイラスト2    

 可動域テスト-回旋

棘突起の横に拇指を当てその横を少しだけ押す。
棘突起を横方向へ向けて押す。
L4,L5それぞれの椎骨に十分な可動性はあるか、椎骨どうしの結びつきがきつ過ぎないか、
痛みはあるかどうか。
痛い場合はどんな時に痛むのかも確認する。
触れただけで痛むのは軟部組織が炎症を起こしている可能性がある。
椎骨を動かして痛みを感じる場合、椎間板に問題があるか、椎間関節に
炎症があると考えられる。

次は患者に向かって左方向へ押す。拇指あるいは他の指を棘突起の反対側に置き、
反対方向へ向けて押し椎骨を回旋させる。
L5の横突起を触知したら左右のどちらかを静かに押し十分な可動性があるか、
痛みはないかを確認すること。
評価法 脊椎の診かたのイラスト3



 胸椎スプリングテスト
胸椎の上に手の平を載せ、小指側の小指球の部分で棘突起を押す。
痛みはないか、それぞれの椎骨によって可動性に違いはないかを確認する。
椎間関節が硬い場合はよく動かし、筋力低下の見られる領域は周囲の筋肉を鍛えるなど、
症状によって治療法を変える必要がある。

評価法 脊椎の診かたのイラス4

 仙腸関節スプリングテスト

仙骨は腰椎の下に位置し腰椎の土台になっています。

仙骨を垂直方向に向けて押し、仙腸関節とL5とS1の間の椎間関節に圧力をかけます、
左右それぞれ押す。
それによって痛みが引き起こされる場合は仙腸関節に問題があるか、
L5に問題があるかあるいはL5とS1の椎間板に問題があると考えられます。

評価法 脊椎の診かたのイラス5


 大腿神経テスト

腰神経に神経テストを行います。対象:L2、3、4

伏臥位にして足を持ち上げて、膝を曲げる。患者のL2、L3、4に神経根に
障害がある場合や大腿神経にトラブルがある場合は膝を曲げた時に
大腿部の前面と側面に痛みを引き起こす。
反対側も同様にテストし、神経の炎症を示唆する大腿部前面の緊張や脚部のしびれ、
疼く様な痛み、燃えるような痛みなどがないか観察すること。
L3-L4椎間板ヘルニアを代表とする上位腰椎間板ヘルニアを示唆する。

 

 椎骨の位置

椎骨の位置の変化は関節にストレスを与え、筋肉や靭帯を引き伸ばす。
その結果、組織に炎症が起き、痛みや組織の更なる疾患や炎症を引き起こし、
それがまた更なる痛みを引き起こすという悪循環に陥る。

腰椎の関節機能障害あるいは椎骨の変位を検査、観察する。
上後腸骨棘から斜め45度上に指を動かすと溝が触知でき、そこがL5の横突起です。
拇指で横突起に触れると左右で高低差がある場合があります。
このようにして下から上へ順番に脊椎を触診していく。

L5の横突起に左右の高低差があり、右手の拇指の方が左手の拇指が高い位置にある場合、
L5の椎骨が回旋している。
同じように下から上へ向けて触診する。次に位置を再確認するために
患者に肘をついて上体を起こし背筋を伸ばしてもらう。
椎骨の位置を確認する。L5の椎骨を見つけ、指で横突起に触れ下から
順番に触診していく。

左右の横突起が水平になっている場合は椎骨の並びに異常はない。
後屈している時は椎骨が安定している。
前屈しているときや普通にしている時は椎骨が回旋しやすい。
後屈させると椎骨は水平で左右対称になる。
後屈位の方が安定するため椎骨自体が伸展する。
肘を立てている時には機能障害や位置の変化は見られない。
患者が後屈をすると椎骨は伸展する。
後屈することによって横突起が水平になり、右の椎間関節が
伸展した状態で固定されている。

横突起が水平にならない場合は、何らかの問題で左の椎間関節が
屈曲した状態で固定されてしまう。
このような症状のある患者にはストレッチが効果的です。
椎骨が伸展している場合は屈曲しない状態にある椎骨の可動性を
向上させればいいのです。
椎骨が右に回旋している場合は患者を前屈姿勢にして左方向へ回旋させる。

関節の位置を正しく評価することで必要なストレッチや可動性を
高めるべき関節の見極めができます。
位置の評価はほかの腰椎の椎骨にも胸椎の椎骨にも応用することができます。
どこに障害があるのか見極める時にも非常に有効な手段である。

腰椎の関節の機能障害や椎骨の並びの異常は痛みを引き起こしたり、
脊柱起立筋にスパズムを引き起こしたり、あるいは臀部に関連痛をもたらしたりする。
しかし、腰椎の関節障害が膝から下の領域に関連痛をもたらすことはほとんどない。

痛みやしびれが膝から下にある場合はそれは神経障害によるものであり、
痛みやしびれが膝から上にある場合は関節の機能障害が原因である。

評価法 脊椎の診かたのイラス6   


  脊柱起立筋の触診

筋肉全体を優しく触診する。硬さや圧痛がないか調べる。
筋肉は炎症を起こすと通常硬くなります。

椎骨の棘突起の間の靭帯も触診すること。
圧痛がある場所では炎症が起きている。

腰椎や胸椎の椎骨の間の領域で顕著な圧痛がある場合には靭帯が挫傷を起こしていると考えられる。
L4、L5と仙骨の棘突起の間も触診すること。

腸腰靭帯は捻挫をしやすくよく炎症を起こす。この領域の圧痛は炎症を起こしていると考えられる。

腰椎周辺の軟部組織によく見られる症状が結合組織炎結節でこれらは有層性のしこりで炎症を
起こすと圧痛を伴う。
この結節は慢性炎症のある軟部組織が腫れ上がり、その腫れ上がった領域にコラーゲンが
蓄積されることでできると考えられる軟骨に似た組織である。

 中臀筋を触診

筋肉に緊張や痛みがないか確認します。
中臀筋の支配中枢はL4神経根とL5神経根にあり、これらの神経根が炎症を起こすと
中臀筋は硬くなります。
マッサージをすることで症状は緩和されます。

 

 梨状筋の触診

次は坐骨神経の真上にある梨状筋の触診です。ここでも圧痛やスパズムなどの
症状が見られないかを確認すること。
これらの軟部組織の炎症を緩和するにはマッサージやストレッチが効果的である。

 

 腰方形筋

体の側面から触診する時は脊柱起立筋を見つけ少し前側に手を押し込むようにして
腰方形筋を探すと腰椎の横突起の横の先端に触れ、腰方形筋を触知することができる。
筋肉の緊張やスパズムなどが無いか確認する。

 

 腰筋

腰方形筋の前方には腰筋(大腰筋、中腰筋)を触知することができる。
腰筋は腰痛と深い関わりのある筋肉である。
腰部のすぐ手前にあり炎症や痛みがあるときに痙攣して腰部を保護する。
仰臥での腰筋のストレッチは効果的である。
上前腸骨棘の上方内側に向けてゆっくりと力をかける。

そして内臓をどかすようにして手をゆっくり腹部へ沈める。
硬い部分に当たるまで沈めること。



                姿勢 上肢の筋肉のイラスト


      
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