HOME > 十四経発揮 >9.手の厥陰心包経
9.手の厥陰心包経 (PC) (9穴)
❶ 心包は心中(膻中)に起こり、横隔膜を貫き下って、上脘、中脘、陰交の部分で三焦の部を歴絡する。
❷支脈は心包に属会するところから別れて胸部を循り、側胸部に出て天池に来る。
経穴はここより始まり9穴を経過するが、実際は支脈である。
すなわち天池から腋窩に出、上腕の内側の肺経と心経の間を下行し、肘を通り前腕に下り、掌中の中指爪甲根部
母指側の中衝にて終る。
❸その支脈は、掌中の労宮から別れて第4指の尺側爪甲根部関衝に至り、手の三焦経の起始部に交る。
どの臓器と関わっていますか?
心臓、胃
治療:心臓性疾患、のど、精神性疾患
●臓器時計 高期:午後7時~9時 低期:午後9時~午前11時
※高、低期間:肺が懸命に働く期間、ゆっくり休む期間
9.手の厥陰心包経
|
番号 |
経穴名 |
位置 |
1 |
天池(てんち) |
前胸部、第4肋間、前正中線の外方5寸。 |
2 |
天泉(てんせん) |
上腕前面、上腕二頭筋長頭と短頭の間、腋窩横紋前端の下方2寸。 |
3 |
曲沢(きょくたく) |
肘前面、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部。 |
4 |
郄門(げきもん) |
前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方5寸。 |
5 |
間使(かんし) |
前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸。 |
6 |
内関(ないかん) |
前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸。 |
7 |
大陵(だいりょう) |
手関節前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋上。 |
8 |
労宮(ろうきゅう) |
手掌、第2・第3中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部。 |
9 |
中衝(ちゅうしょう) |
中指、中指先端中央。 |
9.手の厥陰心包経 (PC) (9穴)/10.手の少陽三焦経 (TE) (23穴)
心包・三焦(循環・保護作用) 心包ー心膜、三焦ー水液の輸送路、体幹区分(上・中・下焦)
|
心包
|
走行
|
❶ 心包は心中(膻中)に起こり、横隔膜を貫き下って、上脘、中脘、陰交の部分で三焦の部を歴絡する。
❷支脈は心包に属会するところから別れて胸部を循り、側胸部に出て天池に来る。経穴はここより始まり9穴を経過するが、実際は支脈である。すなわち天池から腋窩に出、上腕の内側の肺経と心経の間を下行し、肘を通り前腕に下り、掌中の中指爪甲根部母指側の中衝にて終る。
❸その支脈は、掌中の労宮から別れて第4指の尺側爪甲根部関衝に至り、手の三焦経の起始部に交る。
|
機能
|
心包は単に心嚢のことでなく.その冠状動脈に代表される中枢循環系で,大動静脈のすべてを含んで,心を補佐しており,栄養を配分し,内臓機能を促進し保護しています。
|
症状
|
気を使ってガッタリした疲れ,頭がボーッとしている,不眠動悸・息ぎれが気に々のぼせ・ほてる,血圧異常・手足の冷え,胃から幽門部の不快感・狭心症々どがみられる。
|
精神面
|
虚:気ばかり使って身体が動かぬ。気づかれで、頭がぼっとしている。眠れなくて夢ばかりみている。動悸や息ぎれが気になる。気をつかい、胸がいたむ。
実:寝ても起きても気がやすまらない。対人関係に気を使いやすい。仕事にこる。感情が興奮しやすく、ものごとに過敏、気ぜわしい。
|
三焦
|
走行
|
❶ 三焦経は、心包経の支脈の終点にあたる第4指尺側端の関衝に起り、ここから上り手関節の背面第4,5中手骨間を上行し、前腕、上腕の背面から、肩に上り天膠にきて、秉風、肩井を経て欠盆に入る。これより前面に下って膻中において心包を絡鐃し、胃の上口にて上焦に属会し、中脘で中焦に属会し、臍下1寸、陰交において下焦に属会する。
❷支脈は、膻中より別れて上り、欠盆に出て、頸の根もとをはさみ項(うなじ)に上り、後面に廻って督脈の大椎で左右交わり、再び左右に分れて、耳のうしろを循って上に出て、側頭部にきて、額の陽白、内眼角の晴明、頬骨下縁の小腸経の顴髎(かんりょう)に終る。そのまた支脈は、耳後の翳風(えいふう)から別れて耳中に入り耳前の諸穴を経て小腸経、三焦経に交わり、瞳子髎、糸竹空に終る。瞳子髎は胆経の起始部にあたる。
|
機能
|
小腸を補佐して,腸開腹の循環を司り,また全身の末梢循環と体液特効を行左って,皮膚の柿腹・漿腹・リンパの働きにより保護作用を営んでいます。上・中・下(合せて三焦)に分かれ,上焦は脳膜から胸膜,中焦は臍から上の主に天網,下焦は腹膜・子宮内服で,皮膚・筋肉全般の防衛もします。
|
症状
|
周囲に対する気遣いが下手で,過剰防衛的で警戒心が強く,全身が堅くこわばっています。手を握りしめたように前腕が堅く緊張し,頭に伺かかぶさったようで重苦しく,外界の変化に過敏で,寒暑の急変や湿気がこたえるとか,アレルギー体質で鼻・ノドの粘膜が弱く,リンパが腫れやすく,風邪をょくひき,眼がチカチカしたや,胸がしめつけられ,腹壁や皮膚が過敏でくすぐったカ呻痛カ呻,かゆみがあわ湿疹がでやすく,水気・しびれ々とです。
|
精神面
|
虚:心配性で心理的に負担が多い。幼年期過保護で育ったので、周囲に下手に気を使う。頭痛、耳なりなどで、いつも頭が何かかぶったようにぼーっとしている。のぼせて反応がにぶい。暑さ寒さや湿気がこたえる。焦点のない疲れで頭がまとまらない。準備もなしに社会や厳しい環境にほうり出された。
実:警戒心が強くて神経緊張のため、いつも手を握りしめたように前腕が固い。気の使いすぎで、頭がしめつけられたように重い。外界の変化に過敏で、暑さ寒さ湿気などの変化に弱い。胸(上焦)胃の上(中焦)下腹がしめつけられたり重くつっぱって苦しい。(下焦)
|
●心包経:反応部位 背中: 胸椎7~9の周辺 腹部: 心窩とへその中間、腹大動脈の拍動部を感じる所。
○三焦経:反応部位 背中: 胸椎8、9の左側 腹部: 左季肋下側方の脾臓の位置に反応。
補足:三焦-「五臓六腑」に含まれる一つの臓器で生命を燃やす三つの場所という意味で、上焦、中焦、下焦の三つに分けられ、
臓腑間を連絡し、津液や原気の輸送路になっている。
身体に取り込んだ水液を全身に送り、余った水液を回収する水道であり、分身を網羅している水のルートではないかと考えられる。
但し、西洋医学で該当する臓器はありません。
上焦は、気を取り入れ、邪気を排出する働きがあり、心や肺が燃えるところ。舌下から胃の入口までを指す。
心、肺の働きも総合的に含む。
中焦は、食べ物を取り入れ、血(栄養)に変える働きがあり、胃や脾、肝などが燃えるところ。
胃の入り口から臍までを指す。胃、脾、小腸の一部の働きも含む。
下焦は、不要になったものを排出する働きがあり、大腸や膀胱が燃えるところ。臍から下の陰部までを指す。
肝、腎、小腸の一部、大腸、膀胱の働きも含む
心包-心臓を包む膜
● 何かを始める場合に動機が大切、その通りになる。
● 人を助けることは、自分を生かすこと。
次回は
|