ブログのイラスト

          


● 足から観る実践的観察法「膝」3 
膝関節の中でもトラブルの起きやすい場所は2か所です。
①内側側副靭帯
②外側側副靭帯

靭帯に関わるものである時は①突発的な発症あるいは外傷が原因で、軟骨に関するトラブルの場合は、
外傷が原因になっていることもある。また、慢性的疾患の場合は軟骨の劣化による関節炎が疑われる。

内側側副靭帯テスト
理学療法評価法 検査1  理学療法評価法 検査2

①脚部を持ち上げて足を固定します。まず片方の手で優しく内側に向けて押します。
通常は膝関節の内側は動かないはずですが、もし痛みがあれば靭帯に何らかの問題があります。
②次は膝関節を30度に曲げて行います。この角度で行う場合に関節の内側が少し動きます。

外側側副靭帯テスト(外側側副靭帯の安定性)
理学療法評価法 検査3 

①最初は膝を伸ばして、膝関節の内側に手を当て横方向へ押します。
②次は30度曲げて行います。少し動きます。
不安定性なら靭帯が断裂している可能性がある。
慢性の不安定性の場合、過去に靭帯を損傷し、完治しないのに動かしてしまい損傷した組織が緩んだまま
回復した場合です。
関節の周囲に炎症があるときには多くの場合関節に緩みが見られる。
膝関節の緩みに対処するには関節を固定し安定性を高めるために、筋肉を強化するための運動などを
指導しましょう。

膝関節の内側にある大切な役割をしている靭帯が十字靭帯です。
膝関節の前後にあります。
引き出しテスト(十字靭帯の安定性)
理学療法評価法 検査4

膝関節を90度に曲げ、足関節を固定し、脛骨を握って手前に引く。
前十字靭帯にストレスをかけるため脛骨を手前に引く。
こんどは後方へ向けて脛骨を押し後十字靭帯にストレスをかける。
再び同じ要領で手前に引き、前十字靭帯にストレスをかける。
押し下げることで負荷をかけます。

十字靭帯が不安定な場合、回旋不安定症を起こすことがあり、膝が抜ける感じ、膝をひねることが
できないといったような症状があらわれます。
前十字靭帯に問題があると普通に立っている場合や車の乗り降りするときでも膝をひねったり、
膝が抜けたり、突然力が入らなくなるような症状があらわれます。

ラックマンテスト(前十字靭帯)
理学療法評価法 検査5   理学療法評価法 検査6  
   前方引き出しテスト        後方引き出しテスト
               
脚部をリラックスした状態で行います。
①膝関節を20~30度曲げ、大腿遠位部と脛骨近部に近い部分を握り大腿部を固定した状態で脛骨を
天井に向けてまっすぐに引き上げます。
もう一方と比べて過度に動く場合は何か損傷があると考えられます。
異常がある場合、しっかりと止まる感じがありません。。
異常がない場合は脛骨を引き上げた時に関節内で前十字靭帯が引っ張られるため、はっきりと止まる
感じが分かる。
②続いて脛骨を後方へ押し、後方引き出しテストを行います。
前十字靭帯は膝関節に回旋不安定症を引き起こすことがあります。
その場合は外科的介入や損傷部位の固定が必要です。

マックマレーテスト(膝関節の半月板)
仰臥位で行います。
①まず、手で膝関節の内側と外側をつかみ関節の内側のつぎ目に沿った内側半月と
反対側の外側半月を確かめます。
②足を持ち上げて膝を曲げ、一方向へ足をひねり、反対方向へ膝を押す。
③内側に向けて押すかあるいは外側半月に圧力をかける。

理学療法評価法 検査7  理学療法評価法 検査8  理学療法評価法 検査9

外側半月のテスト
理学療法評価法 検査10

膝関節でクリック音や引っかるような感触、痛みがある場合は陽性です。
次は再び内側に向かって膝関節を押しますが下腿部を内旋させながら行います。
こうして先ほどとは異なる半月板の部位に圧力をかけます。再び脚部を屈曲させ、伸ばし内側に押して
内旋させます。

内側半月のテスト
理学療法評価法 検査11

続いて同じテスト、を先ほどとは正反対の向きで行います。
外側に向けて膝関節を押し、かかとを内旋させる。
曲げて伸ばしひねり、そして下腿部を内旋させる。
外側に向けて押し、曲げます。
大腿骨と脛骨の間の軟骨と半月板を調べます。擦れるような音やクリック音や痛みなどがあれば陽性です。
この場合は軟部組織の損傷が疑われます。

◇ 膝蓋腱反射
理学療法評価法 検査12

神経学テストで、反射作用を見ます。横になった姿勢の患者の膝関節を曲げ打腱器で膝関節の上を
軽く叩打する。
大腿四頭筋の収縮を観察し、もう一方の足と比較する。
この反射テストではL3、L4ルートからの大腿神経が大腿四頭筋を正常に支配しているかどうかを見ます。
(反射の中枢はL3、L4神経根にあります)
頻繁に起こる膝の痛みや膝蓋骨に軟化症の診断結果が出た場合、膝蓋骨の裏側に炎症があるが、
その原因までは不明です。そのため下肢全体を生体力学的に見る必要がある。
股関節、膝関節、足関節、脚のつながりから解明します。
※反射-反射は一定の感覚刺激に対する一定の運動反応です。
反射を診察することで反射に関係する神経回路の障害の有無を知ることが出来ます。
反射に影響を与える神経系の異常の有無を知ることが出来ます。

膝蓋骨の位置の観察
まず膝蓋骨そのものから観察します。膝蓋骨は膝の関節の前側に位置します。
よく見られる症例に横から見たときに膝蓋骨が真っ直ぐではなく傾いた状態になっている場合がある。
腸脛靱帯と外側肢体の緊張が原因です。
膝蓋骨が傾いていると膝蓋骨裏側の特定の部位にかかる力が大きくなる。
外側関節面に負荷がかかるため軟骨がすり減り炎症を起こす。

膝蓋骨外側に軟化している部位や腫脹が無いかも調べます。
膝蓋骨は前のめりに傾いていることもある。指を膝蓋骨の頂点と膝側に置いてみて膝蓋骨の
傾斜が激しい場合は膝蓋骨のカーブが膝蓋腱の下にある脂肪体に食い込んでしまう。
非常に繊細な構造であるため炎症や不快感を引き起こす。

◇ 触診
腫脹の触診
膝関節に関節液が溜まっているか、いないか。
膝関節に関節液が溜まる症状は関節包内部で炎症が起きていることを意味する。
膝蓋骨の外側に手のひらを這わせ関節液が溜まっていないか触診します。
次は軽く叩打、関節液が溜まっている場合、関節液が膝蓋骨の上を横方向に移動するのが見える。

ガーディ結節
膝関節の外側を触診するときには腸脛靱帯の外側とガーディ結節と呼ばれる腸脛靭帯の
脛骨付着部を確認する。
この部位に圧痛があれば、腸脛靭帯炎が疑う。

鵞足
膝関節の内側の触診を行う。鵞足とは、半腱様筋、薄筋、縫工筋が一固まりになり、
脛骨内側に付着している鵞鳥の足のような領域のこと。痛みや腫脹、圧痛がある場合は
この領域が炎症を疑う。
鵞足の炎症の対処はアイシング、超音波、抗炎症薬、ストレッチング、筋肉の強化など。

関節ライン
次に脛骨プラトーの領域と関節ラインを見る。
関節ラインを触診するときは膝関節を曲げ脛骨プラトーの上の柔らかい領域を見つける。
関節ラインの前後方向に沿った領域に圧痛がある場合は半月板に炎症があるか損傷の
あることが疑われる。

膝蓋腱
膝蓋腱は膝蓋骨を脛骨粗面とつなぐ働きをし大腿四頭筋の一部を構成している。
大腿四頭筋は膝蓋骨の上面に付着し、負荷は膝蓋骨、膝蓋腱を通して脛骨粗面に伝わる。
膝蓋腱の下には繊細な脂肪体があり、この周辺に圧痛がある場合は、この脂肪体炎か膝蓋腱に
炎症が起きているかあるいは部分的に断裂している事が疑われる。

膝関節
膝窩部でよく見られる症状がベイカー嚢包です。多くの場合、半月板の後方の損傷に
伴う繰り返す炎症か後方関節包の脆弱部を通って関節液が膝窩部後方に貯まり、
球根のように腫れ上がる。そして膝窩部が柔らかくなったり、炎症を引き起こす。

ハムストリング
師骨頭に付着する大腿二頭筋そして脛骨へ伸びる半膜様筋、半腱様筋で構成されている。

腓腹筋
膝関節を検査する時は後ろ側の腓腹筋も調べること。
腓腹筋は下腿部の後ろ側で二手に分かれており膝関節と垂直に交わり、大腿骨後ろ側表面で
関節に深く入り込んで付着している筋肉で膝関節を屈曲させる働きをしている。

腓骨神経
腓骨頭の後ろ側に向かって伸びる腓骨神経を触診をします。
軽く押したときや軽く叩いた時に圧痛がある場合や痛みを感じる場合、麻痺しているような場合は
神経炎が疑われるため、炎症を抑え神経にかかる圧力を下げるための処置が必要となる。

大腿四頭筋
大腿四頭筋を引き締めたり緩めたりして行う。
この時、外側広筋、大腿直筋、内側広筋の収縮を確かめる。
内側広筋の機能不全により膝蓋骨はバランスが悪くなり、膝蓋骨に炎症が起きたり痛みが引き起こされ
たりする。


      
次へ進む 実践編 骨盤・股関節①
 


 ブログのイラスト                                                               ページトップのイラスト
         
● 外国から、全国各地から習いに来る「整体講座」を一緒に学びませんか。 
● 世界一流のプロから学んだ、エサレン®仕込みのオイルマッサージの技術をお伝えします。