整体操法    
整体操法  
どんな技術もその人の隠された内面を如実に表す。
嘘やごまかし、ハッタリは通用しない。
従って日々技術を、こころを磨くことが肝要である。

今出来ることを、実直に、焦らずに、積み重ねて行く。



野口整体 腹部操法

腹部操法

◎ここで学ぶこと
腹部調律点
1)まず、身体のどこで呼吸をしているか、呼吸のリズムとその深浅を観る。
2)次に腹部の弾力を観る。
腹部第一、第二、第三、第四調律点、痢状活点、側腹の場所を確認し、虚実を調べ、
体力の状態を知る
3)頭部調律点との関連を知る。
4)操法の目標は腹部調律点を腹部第一、第二、第三をそれぞれ虚、冲、実にするために、
呼吸の誘導を行う。

腹部操法、腹部を施術をしている写真


体力状況を知るための有効な方法が、呼吸と腹部の弾力の状態を観ることである。
まず、どこで呼吸をしているのかを観察する。腹か、胸か、口か、鼻か…など。
腹部操法を行う前に、一年以内に手術をしたことがあるか否か、妊娠の有無は必ず聞きましょう。

❶お腹全体を円状に軽擦し、次にろとう揉捏をします。
軽擦の状態で、臍より上の虚実と臍より下の虚実を見極めなければならない。
特に
お腹全体が虚している場合、犬腹とも言うが、決して良い状態ではない。
呼吸の状態と併せ観察し、愉気だけに留める。初心者は手を出してはならない。

お腹の虚実の診かた


愉気のしかた、丹田治療
愉気のしかた:臍を中心として、左右にお腹を包むように置く。
レイキでは丹田治療ともいう。


腹部操法 軽擦1
円状に時計回りに軽擦します。
腹部操法 揉捏1
ろとう揉捏ー船頭さんが櫓(ろ)を漕ぐ仕草に似ていることから、この名が付けられました。
❶手前から奥に向かい数回行う。
❷下から上に向かい数回行う。


❸虚実の観察
次に3か所のお腹の状態、虚実を観ます。
患者が息を吐いた時に静かに、深く入れて弾力を観て下さい。

上から、呼吸器、消化器、生殖器と関与している。
●第一:鳩尾のやや下、剣状突起から指2本のへこんだ所。
虚ー息を吸っても、吐いても柔らかく力の抜けた状態が良い。精神状態、呼吸器と関与。
●第二:第一と臍の中間の位置にあります。
芯のある柔らかさが良い。吸うと力が入り、吐くと力が抜けるのが良い。
冲が良い(虚と実の中間の硬さ)ー消化器、循環器と関与。
●第三:臍から指三本の所、丹田と言われている所です。
実が良いー弾力に富んだ状態が良い。息を吸っても、吐いても、力が入っているのが良い。
生命力、生殖器と関与。


野口整体 腹部操法

その他
●第四: 肋骨左下部:芯のある柔らかさが良い。吸うと力が入り、吐くと力が抜けるのが良い。
感情抑圧点。
●第五:気で観る肋骨右下部(肝臓部):気を通して観る。
●痢症活点(下痢の時に用いる)
●側腹部:腰痛、左右を見て分厚くなってる方。操法:愉気
●右下腹部盲腸部:ガスがたまる時等に用いる。
●左下腹部①S 字状結腸部:便秘②3 ヶ所:腎臓
●恥骨:皮膚病ー恥骨操法


野口整体 腹部操法2


●臍に向かって静かに深く押し上げる。6か所行う。

腹部操法のやり方の説明1

●最後に6か所(盲腸部、肝臓、胃、下行結腸、下腹部、最後に臍部全体は広く)に手
 掌を用いてバイブレーション(震せん法)を行う。腹部を整え、活性化させる。

腹部操法の説明、バイブレーション6か所

まとめ 

腹部調律点

 

 

剣状突起から指2本:息を吸っても、吐いても柔らかく力の抜けた状態が良い。 呼吸器と関与。

調律点第1とへその中間:芯のある柔らかさが良い。吸うと力が入り、吐くと力が抜けるのが良い。消化器と関与。

臍の下から指3本(臍下丹田):弾力に富んだ状態が良い。息を吸っても、吐いても、力が入っているのが良い。
生殖器と関与。

禁点より指三本左の肋骨の左下部:太陽叢。感情抑圧点。
心の停滞状況をみる:芯のある柔らかさが良い。吸うと力が入り、吐くと力が抜けるのが良い。

気で観る

肋骨右下部(肝臓部):気を通して観る。

側腹:痢症活点(老廃物、下痢の時に用いる)操法:愉気

その他

側腹部

腰痛 左右を見て分厚くなってる方。操法:愉気 

右下腹部

盲腸部 ガスがたまる時等に用いる。

左下腹部

①S字状結腸部:便秘  ②3ヶ所:腎臓

恥骨

皮膚病


※新潟整体協会独特の腹部操法はあえて掲載しません。
企業秘密というほど大そうなことはありませんが、生徒さんだけにお伝えしています。

昭和12年の指圧の本、「無薬療術佐々木式指圧秘法図解」に書いてあったので紹介します。
私たちが学校で習ったより優れています。興味があれば、ご覧下さい。

国会デジタルライブラリー「無薬療術佐々木式指圧秘法図解」

 
家庭指圧療法はそれを一部ですが読みやすくしたものです。


腹部治療法は胃腸病、肝臓病、腎臓病、膀胱カタル、神経衰弱、感冒、

子宮病、その他いかなる疾病にも有効である。


注意
1.腹部が衰弱して著しく腹力の消失せるものには腹部治療は撫鎮法患部霊動法のみに止めその他は腹部に直接触れることを避け腹式呼吸法によりて腹力を養うようにすべし。尚暗示法を応用して食欲の増進を図る。
2.便及びガスの停滞している場合は盲腸部及びS字状部を特に丁寧に指圧する。
3.腸結核及び妊娠中又は月経時の婦人には極めて軽く静かに行う。


 

野口整体 腹部操法 腹部と腰椎との関係       




子供への腹部の愉気と対応する場所


      
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野口整体の初歩的な技術の一端をご紹介しています。
 1.整体操法はいつ生まれたのか
 2.合掌行気法 活元運動
 3.上肢操法
 4.頭部操法
 
5.腹部操法
 
6.操法の前に
 7.脊椎の観察、操法について

 8.体癖について

 


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